Gabriel Castano

ガブリエル カスターニョ
ファッジの甘いフレーバーと、クローヴのニュアンスが交じり合い絶妙なグラデーションを生み出している。さらにアフターテイストには優しくバニラの香りが漂い、艶美な印象へ移ろう。コンプレックスなフレーバーは、ひとくちごとに多彩な表情をみせてくれる。

賞味期限：焙煎日より60日

※【豆のまま】もしくは【フィルタードリップ／フレンチプレス／エスプレッソ】で挽き具合がお選びいただけます。
※袋詰めの工程上、豆のまま以外をご選択の場合、発送までに最長で〜7日ほどお時間をいただく場合がございます。

生産者
Gabriel Castaño

農園
La Granada

生産国
Colombia

地域
Huila

プロセス
Anaerobic Washed

品種
Pink Bourbon

標高
1700 Meters

フレーバー
Fudge,Clove,Vanilla

1990年、コロンビアは国際経済への扉を開いた。さまざまな製品が安価な外国産輸入品と市場で競合するようになり、国中の国内生産者は厳しい打撃を受けた。1989年にコーヒー協定が破棄されて以来、コーヒー農家でさえも、全国コーヒー生産者連盟による買い取り約束という、農業界における重要な影響力にもかかわらず、苦境に立たされていた。89年から今日に至るまで、ニューヨーク証券取引所で毎日取引されているコーヒーの新しい商品指数が不安定であったため、中小生産者は破産に向かって一直線に歩いていた。

ドン・ガブリエル・カスターニョ・ブエンディアはこの状況を生き抜き、他の多くのコロンビア人農民と同様、生き残る道としてコカ生産に目を向けた。しかし、コカは高収益を約束する反面、金銭的にも個人的にもリスクが高くなることが多かった。ガブリエルはできる限り早くコカ畑を去り、コーヒーに専念した。

ガブリエルと妻のカルメンの間には、4人の娘と2人の息子という6人の子供がいる。孫やひ孫の数は数え切れないほどだ。残念なことに、両親の新しい農家の向かいに家を建てていた3番目の姉ソラニーは昨年、糖尿病の合併症で他界した。長姉のヤミレスは、最近、家族の農場で自分の区画で栽培を始めた。35歳のマリリが最年長で、29歳のヨルレディ、ガブリエル・ジュニアとジェファーソンの兄弟がそれに続く。一家が所有する2ヘクタールの農園ラ・グラナダは、ウイラ県南部のアセベド市にあり、ガブリエル・シニアがすべてを新たに始めた場所である。そこで彼は、当時はまだあまり知られていなかったピンクブルボン種を植え、長い時間をかけて、本当に素晴らしい一杯のコーヒーを作り出した。今日、ガブリエル・カスターニョ・シニアは、ウイラ南部のピンク・ブルボンの名付け親として口語で知られている。彼は無私無欲の精神で、数え切れないほどの同業者たちに自分の知識とスターターを分け与え、その多くはアザハールのパートナー生産者でもあり、彼ら自身のピンク・ブルボンのロットを国際的に販売するまでになった。私たちは、彼が私たちの最も注目されるパートナー生産者の一人であることに非常に感謝しており、彼の家族全員と仕事を続けられることをとても幸運に感じている。

ガブリエルは高齢になり、健康上の理由でコーヒーを飲めなくなったが、誰とも命を交換することはないと言う。彼は8,000本の木を蒔き、ピンク・ブルボンを生産者仲間に紹介したことで自治体中に知られるようになった。ドン・ガブリエルは背が低く物静かだが、漆黒の口ひげを蓄え、優しい目をした陽気な男だ。促されればすぐに笑顔を返し、話しながら冗談を言う。私たちが最後に彼を訪ねたのは11月の終わり、以前の家より山の下にある新しい家で、彼は両手を広げて私たちを歓迎してくれた。

このマイクロロットは、もちろんピンク・ブルボン種で、地元や旅回りの摘み取り業者、そして何人かの家族によって、熟し具合を慎重に手選別された。まずチェリーの重さを量り、そのままの状態で袋の中で90時間発酵させた。その後、チェリーを水洗いし、機械で3日間乾燥させた。