ホンジュラス西部に位置するサンタ・バーバラ県は、標高1,400〜1,800mの山岳地帯が広がり、スペシャルティコーヒーの産地として近年急速に注目を集めるエリアです。その中でも「エル・シエリート(小さな空)」と呼ばれる地区で、エルナンとアニバルのピネダ兄弟はコーヒーを生産しています。

二人が本格的にスペシャルティコーヒーの生産に取り組み始めたのは2012年のこと。近隣の先進的な生産者たちからマイクロロット生産の技術を学び、品質管理の精度を段階的に高めてきました。現在はそれぞれ1,000本以上のコーヒーの木を管理し、個別の剪定と日照コントロールを徹底しています。
農園内に多様な果樹やシェードツリーを植えることで、チェリーがゆっくりと成熟する環境を意図的に設計しています。収穫されたチェリーは自農園の水洗工場で処理されます——現在、その新施設を自宅敷地内に建設中です。
品種:Parainema(パライネマ)について
パライネマはホンジュラスで開発されたSarchimor系の品種で、Timor HybridとVilla Sarchiを交配した系統に由来します。開発の主な目的は葉さび病(コーヒーリーフラスト)への耐性強化でしたが、同時に高品質なカッププロファイルも実現した点がこの品種の特徴です。葉さび病は2012〜13年に中米全域で深刻な被害をもたらしており、耐性品種の普及は生産者の経営安定に直結します。
フレーバーの傾向としては、フローラル、ハーブ、スパイス、トロピカルフルーツ系の風味が出やすく、生産処理の方法によって印象が大きく変わります。高標高との相性が良く、近年はバリスタ競技会でも使用されるなどスペシャルティ市場での評価が高まっています。

カッププロファイル
ウォッシュト精製により、チェリー由来のフルーツ感よりもクリーンさと透明感が前面に出る仕上がりとなっています。フレッシュライムを思わせるシトラスのアロマが香り立ち、パイナップルのようなジューシーな甘みが口中に広がります。後半にはハイビスカスを想起させる華やかなフローラルのニュアンスが続き、全体を通してトロピカルで明るい印象です。酸は明瞭ですが過剰ではなく、飲み疲れしない軽やかなボディが特徴です。エスプレッソでもフィルターでも、そのクリーンさを活かせる一杯です。
この一杯の楽しみ方☕️
まず、カップを手に取ったらすぐに香りを確かめてみてください。ライムやトロピカルフルーツを思わせるアロマは、飲む前から始まっているエル・シエリートの物語です。
一口目は、温度が高めのうちにお試しください。パイナップルのような甘みと、シトラスのきりっとした酸が最も鮮明に感じられます。
飲み進めるにつれて温度が下がると、今度はハイビスカスのような華やかなフローラル感が顔を出します。同じカップが、温度によって表情を変えていく——その変化をゆっくり追ってみてください。
ピネダ兄弟が丘の上で丹念に育てたこの一杯を、ぜひ時間をかけて味わっていただければ幸いです。
【銘柄】
HERMANOS PINEDA / Honduras
エルマノス ピネダ / ホンジュラス
▼取扱店舗
VERVE各店、ONLINE STORE
▼販売価格
HERMANOS PINEDA(エルマノス ピネダ) 200g:¥2,800
▼店頭POUOVER提供価格
ホット/アイス 780円



